人気ブログランキング | 話題のタグを見る

密やかな結晶

私は大分読書が好きです。

好きな作家は殆ど男性、、、。 多分ミステリーとか歴史小説が好きだからかな?

女性作家で読むのは唯一 小川洋子さん位でしょうか、、。

博士の愛した数式が有名ですよね!映画化もされましたし。

さて昨日読んだ小川さんの本・密やかな結晶がすごく良かった!!!

これはみんなに読んでほしいと思います。


内容を書いてますので知りたくない方は先を読まないでください。






さまざまな物の記憶が消滅していく島に生きる人々のお話。

人間の頭の中には密やかで普段は気にも留めないけれど、心と頭の中には沢山の素晴らしい記憶がある。
その物の1つ1つの記憶が消滅していく。

小説の中で人々が失っているもの、失うものの中にはこんなものが、、。

リボン・エメラルド・切手・香水・オルゴール・小説・鳥etc、、、

それを忘れてしまう島の人々 そしてそれを仕方ない、、と受け止めてしまっている、、
それがこの世界なんだと、、、。
しかも人々は何を失くしたのかさえ忘れてしまう、、。

主人公の母は記憶を忘れない数少ない特殊な人種。

その母が主人公である少女に、消滅した物はいったいどんな物だったか、、というのを語る言葉が切ない。

記憶のある母がどんなに美しい説明をしても記憶の無い少女には何の感情も沸かないただの異物でしかない、、、。
どんなに考えても香水は何か匂いのする水でしか無い。
素敵な香りを素敵だと思う感情も消滅してしまっているから、、。

読み終わった後は力が抜けてぼ~っとしてしまった、、、。


もし自分が記憶を失くしてしまう運命だったら、、、。
私は何を最後に忘れたいかな??

やっぱり家族でしょうか、、、。

読んだ方、、どうですか? 

というか読んでください。 フランス語ヴァージョンが出ていないのが残念です。
by harnharn | 2007-04-26 21:40 |